ボードのABC

■ボードの各部分の名称

・ボードの上側(乗る側)をデッキ、下側をボトムといいます。
・乗った時、前に来る方の先端をノーズといいます。後ろはテイルといいます。
・ボード全体の外側のシルエットをアウトラインと呼びます。
・ボトム側に水の流れを考え、わずかなくぼみをつけます。そのくぼみをコンケーヴと呼びます。
・レール部分の断面で見た形状が丸いものをラウンド、四角ばったのもをボキシーといいます。
・ボキシーのほうが接水面積が広がるので、安定性が出ます。


■ショートとロング

ショートボードとロングボードはアウトラインがずいぶんと異なり、ショートボードは短いだけでなく、ノーズも細く面積が狭くなっています。 ロングボードは、長さが9フィート(275センチ)以上のものを指します。それより短く、ロングボードのアウトラインを持つボードは、ミニタンカーまたはセミロングと呼ばれます。ショートボードは5フィート10インチ(178センチ)から7フィート2インチ(219センチ)くらいです。それより長く、ショートボードのアウトラインを持つボードをセミガンまたはビッグガンと呼びます。7フィート2インチ(215センチ)から10フィート(305センチ)くらいになります。

■長さと性能

一般に常識として、「短い板は小さい波向き、長い板は大きな波向き」です。 短い板は、回転性に優れ、パワーの無い波でもテイクオフしてしまえば、ラディカルにマニューバを描くことができます。そのため、コンテスト志向の強い板でもあります。しかし初心者には、テイクオフが難しくなります。逆に長い板は、直進性に優れ、ピークでの早い時期のテイクオフができます。早く余裕を持って立ち、メイクしやすいので、大きく掘れた波に乗るのに向いています。しかし、ラディカルにマニューバを描くのには向きません。つまり、長ければ長いほど、幅が広ければ広いほど、接水面積が増え、安定性が増し、テイクオフしやすくなります。が、ターンがしにくくなります。

■厚さと性能

厚さも、体重によって増減します。厚みが増せば浮力が大きくなり、体重の重い人に適します。さらに乗り手のレベルや好み、その日の波によってちょうどいいボードのサイズは違ってきます。プロサーファーは何本ものボードを使い分けてコンテストに臨みます。目安としては1、2フィートの波なら、5'10から6'2を、2、3フィートなら6'3から6'6、3から6フィートなら、6'8から7'2の長さのショートボードと分けられます。一般のサーファーでも、2、3本長さの違うボードを持つことで、波にあったボードを選べる事でしょう。

■レールと性能

レールの型はおもに3つあります。
1.ボキシー(フラットデッキ) 名前の通り四角に近く、ぎりぎりまで厚みがある
2.ミディアム(ラウンドデッキ) 最もよく使われており、中程度の厚みを残す。
3.テーパー(ラウンドデッキ) ミディアムに比べ、さらに薄くなる。

2のミディアムレールにラウンドデッキの組み合わせが最も多い。ボキシーは厚みがあるので、安定し、浮力もあり、バランスもとりやすいが、レールをフェイスに入れにくい。ある程度脚力が必要になる。うまく入れられるとその反発が大きいので、パワーライドが可能になる。体重の重い人やスモールウェーブ向き。体重の軽い人は薄めのレールの方が沈めやすい。うすいレールは敏感に反応を感じやすい分、不安定。最も重要なのは、全体の厚さと合わせてバランスの良いレールを組合せる事であり、シェーパーに委ねるのが上策とも言えます。

■浮力と性能

体重60キログラムの人で浮力5.7、55キロなら、5.4、70キロなら6.0と大体の目安が一般にあります。ですが、同じレベルで、同じ体重の人にまったく同じ浮力のボードが必ず合うかというと、そうではないのです。各サーファーの好み、感性で異なってきます。オーバーフロー(過剰浮力)の板は、パドリング・滑り出し共に早いですが、カービング時にレールを入れにくく、また、ドルフィンスルーの際に、沈めにくくなります。大きい波でパワーがあるときには、全体に浮きすぎてコントロールしにくいです。アンダーフロー(浮力不足)の板は、パドリングが遅く、テイクオフも掘れたピークでないと滑り出してくれず、レイトテイクオフになりがちです。ドルフィンスルー時も、沈めるのは簡単ですが、浮き上がる力が足りないため、後ろに戻される事があります。ターン時、レールをフェイスに入れるのは楽でも、反発力が不足しているので、ターンの伸びやスピード不足などのメリハリにかけてしまいます。浮力は有り過ぎても、無さ過ぎても困る物なので、経験を重ねて自分に合った浮力を感じ取り覚える事はレベルアップのかぎになります。

■ボードの製造工程

(1)シェープ
サーフボードの材料には、ウレタンフォームを主に使用。 用途に合った色々な原型のフォームがあり、全体の長さやそり(ロッカー)、厚さ、幅、重さなどが異なっている。軽いフォームは気泡の密度が荒く弱く、重いものは、目が細かくて強い。

(2)エアブラシ
簡単に言えば「色つけ」のこと。初期のサーフボードは、ラミネート時に、レジンに顔料をミックスして着色する方法が主流だったが、現在はエアブラシで色を吹き付けたり、絵を描くのが主流となっている。またエアブラシの特徴は、ぼかし(グラデーションやフェイドカラー)の技術が使える点である。また、エアブラシ用の顔料を直接、刷毛やスポンジ、筆でフォームに描くハンドペイントの技法もある。

(3)ラミネート
通常、合成樹脂をガラスクロス(繊維)にしみこませ、エアー抜き(脱泡)し、コーティングしたあと、硬化(FRP)する。ボトム1層、デッキ2層がもっとも多く使われている。このガラスクロスの厚さ(例:4oz~4.5oz)で強度が変わる。 また、薄いガラスクロスほど軽量だが、 強度は弱い。厚いガラスクロスほど重くはなるが、強くなる。 また通常のクロスよりも強度の優れたクロスもあるが(ヘクセルS)もあるが、価格は高くなる。

(4)フィン立て(FIN UP)
ロープ状のガラスクロスを使って、ロービング接着で固定する方法がオーソドックス。最近はFCS社のプラグを埋め込み、成型プラスチックFCSフィンを使用する方法が半数以上の割合で増えている。ロングボードでよく使われるのが、FIN BOXを埋め込む方法である。 FCSやFIN BOXは、その日の波のコンディションに合わせて、小さいフィンを取り付けたり、大きいビッグウェーブ用のフィンを使ったり、調節することが可能である。

(5)サンディング
この工程は、サンディングペーパーを貼ったサンダーなどで、平らなところは平らに、丸くフォイルされているところはそれなりに、シェイプに忠実に戻すのが基本である。オーバーサンディング(削り過ぎ)になると、著しく強度が落ちてしまう。熟練したサンディングマン(職人)になると、適切なエッジや、レールのフォイルを、オーバーサンディングにならずに、適度に余分な樹脂(ホットコート)をサンディングし、軽量で適度な強度を得ることが出来るようになる。

(6)フィニッシュ
サンディングストップ仕上げの場合、この後、空研ぎをしてフィニッシュとする。スプレー仕上げの場合、サンディングに後、プロテック溶剤を吹き付け(スプレー)フィニッシュとする。手触りは粉っぽくサラサラとした感じの仕上がりになる。セミグロスの場合はサンディングの後、もう一度合成樹脂(レジン)を塗り、硬化させ、空研ぎで磨いてから、フィニッシュとする。バフ仕上げの場合は、セミグロス仕上げの後、さらに、コンパウンドを使用して磨き、ピカピカの状態にしてフィニッシュとする。